一晩経った冷蔵庫が新鮮だった


赤紫蘇酒を作ろうと思って、家にある氷砂糖を確認したところから今日が始まった。

氷砂糖はまだ余っていた。

何に使おうかと考えているうちに、ギリシャ旅行で買った乾燥ハーブのことを思い出した。

ペパーミント、ハイビスカス、カモミール、ラベンダー。

本当は煮出してシロップにするつもりだったが、正直少し面倒だった。

そこで方法を変えた。

お茶パックに入れて水に浸けるだけの「水出し」にした。

冷蔵庫に入れて一晩。

それだけでよかった。

翌朝、冷蔵庫を開けると少し驚いた。

ミントは爽やかに香り、ハイビスカスはきれいなルビー色になっていた。カモミールもやさしい色になっている。

ただの水だったはずなのに、少しだけ特別な飲み物になっていた。

手間をかけたわけではない。

むしろ、手間を減らしただけだ。

それでも、暮らしは少し楽しくなっていた。

その流れで、ペットボトルの上部を切って漏斗にし、下部をゴミ箱として使うことも思いついた。

ドラッグストアではベトナムフォーの即席麺が1食58円で売られていて、まとめ買いした。

ジム用の洗顔フォームを買おうとして、ギリシャで買ったオリーブオイル石鹸があることを思い出した。

買うことよりも、すでにあるものをどう使うかの方に意識が向いている。

気づけば今日は、何かを増やす日ではなく、今あるものを活かす日になっていた。

冷蔵庫の中に並んだハーブウォーターを見ていると、それがよく分かる。

一晩経っただけなのに、少しだけ新鮮な気持ちになった。