夜、お腹が空いてコンビニに入った。
目的ははっきりしていた。
何かすぐに食べられるものが欲しかった。
店内を回ると、気になるものはいくつもある。
おにぎり、ホットスナック、甘いもの。
でも、どれも決め手にならなかった。
空腹ではある。
だけど、ただエネルギーを入れたい感じではない。
むしろ、何かを発散したい。
気分を動かしたい。
そんな感覚のほうが近かった。
結局、何も買わずに家に帰った。
まずカフェオレを作って飲んだ。
それだけで少し落ち着いた。
そのあと、家にあるもので夕食を作ることにした。
トマト缶ともち麦でリゾット。
味付けは、おろしニンニクとタバスコソース。
少しチリ風の味にした。
前菜代わりに、わかめのおひたしも添えた。
特別な料理ではない。
でも、不思議と満たされた。
最近、自分の感覚を観察していて思う。
空腹にもいろいろある。
本当に栄養が必要な時。
疲れて刺激を求める時。
気分転換したい時。
ただ何かを買いたい時。
以前なら、コンビニでそのまま何かを買っていたと思う。
でも今は、
「本当に欲しいものは何か」
を少し立ち止まって考えるようになった。
すると、答えは意外とシンプルだったりする。
家にあるものでも、十分整う。
トマトの酸味、
にんにくの香り、
タバスコの辛味。
体にエネルギーを入れるというより、
停滞した気分を少し動かしたかったのかもしれない。
パリ生活を経てから、
私は“足りないものを買う”より、
“今あるものをどう使うか”
を考えるようになった。
それは節約というより、
生活を観察する感覚に近い。
コンビニから何も買わずに帰った夜。
でも結果的には、
ちゃんと自分を満たすことができていた。