日本に帰ってきて、あらためて感じたことがある。
それは、人との距離の近さだった。
安心できるはずのその距離が、
なぜか少しだけ、重たく感じることがあった。
日本に帰ってきて、あらためて感じたことがある。
それは、人との距離の近さだった。
気遣いがあって、丁寧で、やさしい。
でも同時に、少しだけ踏み込まれているような感覚もある。
聞かれていないことに答えたり、
こちらの状況を先回りして想像されたりする。
それは親切なのだと思う。
でも、その距離感が少しだけ、自分には近すぎると感じることがあった。
一方で、パリにいたとき、
人との距離はもっとはっきりしていた。
必要以上に踏み込まれない。
それぞれの領域がきちんと守られている。
最初は冷たく感じた。
でも、その距離があることで、逆に心地よさもあった。
干渉されないこと。
自分のペースが保たれること。
それが、思っていた以上に自分には合っていた。
もちろん、日本の距離感にも良さはある。
細やかな気遣いや、安心感。
困ったときには、自然と手が差し伸べられる。
どちらがいい、という話ではないと思う。
ただ、自分にとって心地いい距離は、
一つではないのだと気づいた。
少し距離があるからこそ、保たれる関係もある。
近いからこそ、生まれる安心もある。
その両方を知ってしまったからこそ、
今はときどき、その違いに戸惑う。
たぶん私は、
人との距離もまた、行き来しているのだと思う。