コノシロ六匹と、祖父の思い出


今日、仕事の帰りにいつものスーパーの魚売り場へ立ち寄った。

魚を見るのが最近の楽しみになっている。新鮮な魚が並び、どんな料理にしようか考える時間が好きだ。

その日、目に留まったのはコノシロだった。

一匹50円。

驚くほど安い。

コノシロを見た瞬間、祖父のことを思い出した。祖父はよくコノシロを食べていた。子どもの頃は特別意識していなかったが、大人になって魚売り場に立つようになると、ふと昔の記憶がよみがえることがある。

私は六匹買うことにした。

昼休みに取り置きをお願いし、仕事帰りに受け取ることにした。

コノシロは安い魚なので、本来ならさばいてもらえない。だから自分で調理するつもりだった。

ところが受け取りに行くと、魚売り場のお兄さんがすでにさばいてくれていた。

思わず感動した。

しかも、「この魚は市場から仕入れているんですよ」と話してくれた。

最近、私はよく魚売り場に足を運んでいる。

イワシや飛魚、イカやホタテを買い、料理を楽しんでいる。魚の話をしたり、旬のものを教えてもらったりするうちに、少しずつ顔を覚えてもらったのかもしれない。

たった六匹のコノシロ。

値段にすれば300円ほどだ。

けれど、その中にはたくさんのものが詰まっていた。

市場から届いた魚。

魚を扱う人の手間と心遣い。

そして祖父との思い出。

私は今、福岡で暮らしながら、新鮮な魚を選び、自分で料理している。

それは単なる節約ではない。

食べ物を大切にすること、人とのつながりを感じること、自分のルーツを思い出すこと。

今日のコノシロは、そんなことを改めて教えてくれた。

祖父が好きだった魚を、自分も食べる。

その小さな出来事が、なんだかとても豊かに感じられた一日だった。