パリでの一人暮らしは、華やかなものではなかった。
むしろ一番印象に残っているのは、静かな夜の時間だった。
孤独は特別なものではない。
日本にいても感じるし、パリだから強くなるわけでもない。
ただ、その孤独とどう向き合うかは少し違っていた。
私はその時間を「日記を書く時間」として過ごしていた。
パリで感じた孤独の瞬間
孤独を強く感じるのは、主に静かな夜だった。
一人でアパルトマンの部屋にいると、周囲の音が少なくなり、自然と自分の内側に意識が向いていく。
ただ、完全に孤立している感覚ではなかった。
住んでいたのはアパルトマンで、同じように一人で生活している人たちが周囲にもいた。
その「他にも同じように暮らしている人がいる」という気配が、安心感につながっていた。
また、トイレが共同だったこともあり、完全に自分だけの世界に閉じこもっているわけではなかった。
孤独との距離感
孤独を感じたとき、誰かに連絡を取ることはほとんどなかった。
スマホに逃げるように触ることもなく、ただ静かに時間が流れていく。
その代わりにしていたのは、持ってきていたPCで日記を書くことだった。
その日の出来事を書くというより、「今どう感じているか」をそのまま言葉にしていく。
例えば、こんな記録が残っている。
- 「今日は静かすぎて、逆に自分の思考がよく聞こえる」
- 「何もしていないのに、少し疲れている気がする」
- 「この生活が正しいのか分からないけれど、続いている」
書いているうちに、少しだけ頭の中が整理されていく感覚があった。
孤独が変わっていく感覚
不思議なことに、その時間はただの「寂しさ」ではなかった。
むしろ、自分の考えを整理し直す時間になっていた。
孤独の中にいるというよりも、静かな環境の中で自分と向き合っている感覚に近かった。
夜の静けさは、つらさではなく「考え直す余白」に変わっていった。
日本と変わらない孤独
振り返ると、孤独そのものは日本にいても感じるものだった。
パリだから特別に孤独だったわけではない。
ただ、その孤独の扱い方が少し違っただけだと思う。
一人でいることに慣れていたからこそ、その時間をどう過ごすかが重要だった。
まとめ
パリでの一人暮らしは、華やかなものではなかった。
しかしその中で過ごした静かな夜は、自分と向き合う時間でもあった。
孤独は消えるものではないが、
その中でどう過ごすかによって、意味は変わるのかもしれない。